ばね指
ばね指は、指を曲げ伸ばしする際に「カクン」と引っかかったり、ばねのように弾ける感覚が生じる疾患です。正式には「弾発指」と呼ばれ、指の付け根に痛みや腫れを伴うことが多いです。適切な治療とリハビリテーションにより改善が期待できます。
原因
ばね指の主な原因は以下の通りです。
指の使いすぎによる腱鞘の炎症
指を曲げ伸ばしする腱は腱鞘というトンネルの中を通っていますが、指を酷使することで腱や腱鞘に炎症が起こり、腫れたり肥厚したりします。その結果、腱の通りが悪くなり、引っかかりが生じます。
不適切な握り方やフォーム
正しい握り方やフォームで行っていない場合、指の特定の部分に過度なストレスがかかり、ばね指が発症しやすくなります。
更年期の女性
ホルモンバランスの変化により、腱鞘が狭窄しやすくなり、ばね指を発症しやすくなります。
全身疾患の合併
関節リウマチや糖尿病などの全身疾患がある場合、腱や腱鞘に炎症が起こりやすくなり、ばね指を発症するリスクが高まります。
症状
ばね指の症状は以下の通りです。
初期症状
- 指の付け根の痛みと違和感
- 指を動かす際の引っかかり感
- 特に朝方に症状が強く現れることが多い
- 動き始めると軽減することもある
進行症状
- 指の付け根で明らかな引っかかりを感じるようになる
- 指を伸ばそうとすると痛みを伴い、途中で引っかかって急に伸びる
- 全く伸びなくなることもある
- 指の付け根に小さな腫れ(結節)を触れることもある
- 握力の低下を感じるようになる
診断
ばね指の診断は以下の方法で行います。
問診
症状の経過、指の使い方、スポーツの種類、症状が強い時間帯などについて詳しく伺います。
身体検査
医師が指の付け根の腫脹や圧痛を確認し、指を伸ばした時のばね現象の有無や程度を評価します。また、腱鞘が厚くなっていないか、指の筋力に低下がないかなども確認します。
画像検査
通常、ばね指の診断は身体検査により行われますが、診断が不明確な場合や他の疾患との鑑別が必要な場合には、超音波検査を行うことがあります。超音波検査により腱鞘の肥厚や腱の腫れを詳しく評価することができます。
治療法
ばね指の治療は、症状の程度やスポーツ復帰の希望に応じて異なります。
保存的治療
ストレッチ:とくなが法
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- 指を反らして指を曲げる腱をストレッチします。
- ペットボトルの蓋を握りしめることで、狭くなった腱鞘を広げます。
- この「とくなが法」を1回30秒ずつ1日10回行うことで手術や注射を必要とする割合が 当院でも減少しています。
テーピング療法
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- テーピング:指を保護し、安定性を高める
薬物療法
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- 消炎鎮痛剤の服用:炎症を早期に取り除き、痛みを軽減
- ステロイド注射:腱鞘内に直接注射し、炎症を抑制(非常に効果的)
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手術療法
保存療法で改善が見られない場合や、症状を繰り返す場合には手術が検討されます。当院ではエコー(超音波装置)と注射針を使用した体に優しい切らない手術で早期の回復を支援します。
予防
予防のポイント
ばね指を予防し、スポーツパフォーマンスを維持するためには、以下のポイントを心がけましょう。
スポーツ特有の予防
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- 正しい握り方やグリップ方法の習得
- 指周囲の柔軟性を保つストレッチの習慣化
- 段階的な握力強化訓練
- 適切なウォーミングアップとクールダウン
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日常生活での工夫
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- 指に負担をかける動作を無理なく行う
- 指に違和感を感じたら、無理をしない
- 定期的な指周囲の筋肉のメンテナンス
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おわりに
ばね指は、適切なケアと治療により回復が可能であり、スポーツ復帰も十分可能な疾患です。指の痛みや引っかかり感を感じた場合は、早めにご相談ください。
当院では、医師と理学療法士が連携し、あなたのスポーツ復帰を最優先とした治療プランを提供します。リハビリテーションとスポーツ動作改善に力を入れており、段階的で継続的な治療を通じて、指の機能を回復させることを目指しています。
一日も早く大好きなスポーツに復帰できるよう、ぜひ一緒に治療と予防に取り組みましょう。
