シンスプリント
シンスプリントとは
シンスプリントは、下腿内側に痛みを生じるスポーツ障害の一種です。陸上競技、バスケットボール、サッカーなど、走ることの多いスポーツで頻繁に見られます。この症状は、過度の運動や不適切なトレーニングによって引き起こされることが多く、アスリートのパフォーマンスに大きな影響を与える可能性があります。
シンスプリントの症状
典型的な症状には以下のようなものがあります。
- 運動後のすね内側もしくは外側の痛み
- 患部を押すと広範囲に痛みを感じる
- 初期は安静で改善するが、徐々に慢性化する傾向がある
注意点として、症状を無視して運動を続けると、脛骨疲労骨折に発展する危険性があります。脛骨疲労骨折との鑑別は治療計画や競技復帰の時期を決定する上で重要ですが、両者の区別が難しいケースも少なくありません。
シンスプリントの原因
正確な原因は特定されていませんが、以下の2つに起因している可能性があります。
- 筋肉による骨付着部の繰り返し牽引による炎症
- 骨皮質(骨の表面の膜)の脆弱化による変性
発症には内的因子(年齢、体型、筋力、下肢バランス、柔軟性など)と外的因子(路面の硬さ、シューズ、トレーニング量・内容など)が複雑に関与していると考えられています。
シンスプリントの治療方法
1. 急性期の対応
- RICE処置(Rest:安静、Ice:冷却、Compression:圧迫、Elevation:挙上)
2. 安静期間の確保
- 2週間〜1ヶ月程度の下肢負荷の軽減
- 症状に応じた段階的なスポーツ復帰
3. 装具療法
- オーダーメイドインソールの使用
4. リハビリテーション:
- フォーム矯正
- 筋力強化とストレッチ
- 練習内容の見直しと修正
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具体的なリハビリプログラムには以下があります。
- 下腿三頭筋のストレッチ
- 足関節・母趾の可動域訓練
- 足の動的アライメント矯正
- 後脛骨筋の硬結・スパズム改善
- 腰と下肢の矢状面アライメントチェック
5. 体外衝撃波療法:痛みの軽減、治癒促進効果 体外衝撃波
体外衝撃波療法は、損傷した組織の治癒を促す治療法です。衝撃波は、音波の一種で、患部に集中的に照射することで、組織の再生を促進する効果が期待できます。
この治療法は、痛みを和らげる効果も期待できます。また、手術ではないため、体に負担が少ない治療法と言えるでしょう。
体外衝撃波療法は、1回あたり約10分程度で終了し、通常は2週に1回程度の頻度で数回行います。
