三角骨障害
三角骨障害とは
三角骨障害は、足首後方に位置する過剰骨(三角骨)が原因で生じる足関節の機能障害です。この障害は、足首を伸ばす動作(底屈)時に三角骨が周囲の組織と衝突することで痛みや不快感を引き起こします。一般的に「後方インピンジメント症候群」とも呼ばれ、特定のスポーツ選手や10代半ば以降の若年層に多く見られます。
三角骨障害の症状
主な症状には以下のようなものがあります。
- 足首後方(アキレス腱周辺)の痛み(特に足を伸ばす動作時)
- つま先立ち時の不快感
- 片足での踵上げ動作時の痛み
- 特定のスポーツ動作(サッカーのインステップキック、バレエのポアントなど)での痛み
症状は通常、活動時にのみ現れますが、進行すると日常生活動作でも痛みを感じるようになることがあります。
三角骨障害の原因
底屈動作
- 繰り返しの底屈動作
- 長母趾屈筋腱の過度の使用による腱鞘炎
先天性素因
- 三角骨の大きさや形状の個人差
三角骨障害の治療方法
治療アプローチは症状の程度や患者の活動レベルに応じて選択されます。
保存療法
- 症状を誘発する動作の一時的制限
- テーピングによる過度の底屈の制限
- 非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)の使用
- 外用消炎鎮痛剤の塗布
リハビリテーション
- 足関節の可動域改善エクササイズ
- 周囲筋群の強化トレーニング
- 全身的なアライメント改善(股関節、体幹の柔軟性・筋力強化)
手術療法
保存療法で改善が見られない場合や症状が再発を繰り返す場合に検討します。
- 主に関節鏡視下での三角骨摘出術が行われる
- 術後1~2ヶ月程度でスポーツ復帰を目指す
三角骨障害の管理には、適切な診断と個別化された治療計画が重要です。特に若年アスリートの場合、成長期特有の問題も考慮しながら、長期的な視点での管理が必要となります。症状が持続したり、パフォーマンスに影響を及ぼす場合は、専門医の診察を受けることをお勧めします。