後十字靭帯損傷
後十字靭帯損傷とは
後十字靭帯(PCL)損傷は、膝関節の安定性を保つ重要な靭帯の一つである後十字靭帯が断裂または部分断裂する怪我です。前十字靭帯損傷に比べて発生頻度は低いですが、重大な膝の損傷の一つです。
後十字靭帯損傷の症状
主な症状には以下のようなものがあります。
- 膝の後ろ側の痛み
- 膝の不安定感(特に階段を降りる時)
- 腫れ(前十字靭帯損傷ほど顕著ではない)
- 歩行時の違和感
後十字靭帯損傷の原因
主な受傷メカニズムは以下の通りです。
- 膝が曲がった状態での脛骨への直接的な衝撃(ダッシュボード損傷)
- 過伸展による損傷
- スポーツ中の接触プレー
- 転倒時の膝への直接的な衝撃
後十字靭帯損傷の治療方法
治療方法は損傷の程度と患者の活動レベルによって異なります。
保存療法
- RICE処置(安静、冷却、圧迫、挙上)
- 理学療法(大腿四頭筋の強化が特に重要)
- 装具療法
手術療法
・後十字靭帯再建術(完全断裂や複合靭帯損傷の場合)
多くの場合、保存療法ですが、高度な不安定性がある場合や複合靭帯損傷の場合は手術が必要となることがあります。リハビリテーションは長期間(4~6ヶ月以上)にわたり、慎重に進める必要があります。