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肩インピンジメント症候群

肩インピンジメント症候群は、腕を上げたり動かしたりする際に、肩の関節内で腱板(肩のインナーマッスル)が周囲の組織とぶつかり、炎症や痛みを引き起こす状態です。鹿児島中央駅から徒歩圏内にある私たち鹿児島中央整形外科スポーツクリニックでは、この疾患に対して「単に肩を使いすぎているから」という理由だけで終わらせることはありません。痛みの背後にある本当の理由を探り、再発させないための根本的な治療を大切にしています。

当院では、院長の前田和彦が肩・肘疾患の治療を専門的に行い、年間100例以上の関節鏡手術を執刀してきた経験を活かして診療にあたっています。総合病院と同クラスの1.5テスラMRIや、動きの状態をリアルタイムで確認できる超音波エコーを駆使し、患者さんの肩で何が起きているのかを精密に評価します。痛みを一時的に抑えるだけでなく、身体全体のバランスを見直すことで、再びスポーツや仕事に全力で取り組めるようサポートします。

肩インピンジメント症候群の症状について

肩インピンジメント症候群の代表的な症状は、腕を特定の角度まで上げたときに生じる「ズキッ」という鋭い痛みです。特に、腕を真横から上に上げていく過程で、60度から120度の範囲で痛みが出やすいという特徴があります。これは「ペインフルアーク(痛みの弧)」と呼ばれ、肩の中で組織が挟み込まれることで生じる反応です。

具体的な症状としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 腕を高く上げるときや、後ろに回すときに痛む
  • 重いものを持ち上げようとすると肩に力が入りにくい
  • 夜、寝ているときに肩の痛みで目が覚めてしまう(夜間痛)
  • 肩を動かしたときに「パキッ」や「ジョリジョリ」といった音がする

初期の段階では、特定の動作をしたときだけ痛むことが多いですが、放置して炎症が悪化すると、安静にしていても痛みを感じるようになります。さらに症状が進むと、痛みへの恐怖から肩を動かさなくなり、肩の関節が硬くなる「肩関節拘縮」を併発してしまうこともあるため注意が必要です。

詳細については「肩関節拘縮」のページもあわせて参照してください。

肩インピンジメント症候群の原因について

肩インピンジメント症候群は、肩の屋根にあたる「肩峰(けんぽう)」という骨と、腕の骨である「上腕骨」の間にあるスペースが狭くなることで発生します。この狭い隙間で、腱板や滑液包(動きを滑らかにする袋)が繰り返し挟み込まれることが直接的な原因です。しかし、私たちが臨床で重視しているのは「なぜその隙間が狭くなってしまったのか」という背景に潜む根本的な原因です。

体幹(コア)の安定性低下

肩は単独で動いているのではなく、体幹を土台として機能しています。腹筋や背筋といった体幹の筋肉が適切に働かないと、肋骨や骨盤の位置が不安定になり、その上にある肩甲骨のポジションも崩れてしまいます。土台が不安定な状態で無理に腕を動かそうとすると、肩の関節に余計な負担が集中し、インピンジメント(衝突)が起こりやすくなるのです。

肩甲骨のフォースカップル異常

腕をスムーズに上げるためには、肩甲骨が適切なリズムで上方へ回旋する必要があります。これには、僧帽筋や前鋸筋といった複数の筋肉が協力し合って働く「フォースカップル(力の協調関係)」が欠かせません。デスクワークによる姿勢の悪化や特定の動作の繰り返しによって、これらの筋肉のバランスが崩れると、肩甲骨が正しい位置を保てなくなり、衝突の原因となります。

 

腱板(インナーマッスル)の機能不全

肩の深い部分にある腱板には、上腕骨頭を関節の受け皿にしっかりと引き寄せ、安定させる役割があります。加齢や疲労によって腱板の機能が低下すると、腕を上げようとした際に上腕骨が過剰に上方へズレてしまい、肩の屋根(肩峰)とぶつかってしまいます。腱板が適切に働くことは、肩の隙間を確保するために極めて重要です。

肩周辺の疾患については「整形外科」のページで詳しく解説しています。

肩インピンジメント症候群の病気の種類について

一口に肩インピンジメント症候群といっても、衝突が起こっている場所や状況によって、いくつかの種類に分けられます。診察やMRI検査の結果をもとに、どのタイプにあたるのかを的確に診断することが、治療の第一歩となります。

肩峰下インピンジメント

最も一般的なタイプで、肩の屋根にあたる肩峰の下で、腱板や「肩峰下滑液包」という組織が挟み込まれるものです。腕を外側から持ち上げる動作で痛みが出やすく、肩峰の形状が生まれつき尖っていたり、骨のトゲ(骨棘)ができたりしている場合に起こりやすくなります。中高年の方の肩の痛みとしても多く見られます。

インターナルインピンジメント

主に野球の投球動作などのスポーツシーンで見られるタイプです。腕を大きく後ろに引いた際、肩の関節の中で、腱板が関節唇(肩甲骨の縁の組織)とぶつかって痛みが生じます。投球の切り返しの瞬間に痛みが出ることが多く、アスリートに特有の悩みと言えます。

スポーツによる肩の悩みについては「スポーツ整形外科」のページをご覧ください。

二次的な疾患としての合併

インピンジメントが長期化すると、以下のような病気へと進展したり、併発したりすることがあります。これらは単独で起こることもありますが、インピンジメントによる慢性的な摩擦が引き金となるケースも少なくありません。

  • 腱板炎・・腱板そのものが炎症を起こして腫れている状態
  • 肩峰下滑液包炎・・骨と筋肉の間のクッション材が炎症を起こし、水が溜まる状態
  • 石灰沈着性腱板炎・・腱板の中に石灰(カルシウムの塊)が溜まり、激痛を伴うもの
  • 腱板断裂・・繰り返しの衝突や老化によって、腱板が完全に、または部分的に切れてしまう状態

腱板の状態が気になる方は「腱板断裂」のページもご参照ください。

肩インピンジメント症候群の治療法について

鹿児島中央整形外科スポーツクリニックでの治療は、現在の痛みを和らげる「対症療法」と、痛みの原因そのものを改善する「根本治療」の両輪で進めていきます。まずは精密な診断を行い、患者さんのライフスタイルや目標に合わせたプランを提案します。

保存療法(薬物療法・注射)

痛みが強く、日常生活に支障がある場合は、まず炎症を抑えることを優先します。消炎鎮痛剤の処方や、超音波エコーを用いて炎症部位をピンポイントで狙う注射などを行います。また、当院では筋膜の癒着を剥がして動きを改善させるハイドロリリースという先進的な手法も導入しています。

詳細については「ハイドロリリース」のページを参照してください。

理学療法・リハビリテーション

ここが私たちのクリニックの最も得意とする分野です。理学療法士がマンツーマンで指導を行い、硬くなった筋肉をほぐすだけでなく、肩甲骨の動きを正常化し、体幹を安定させるトレーニングを行います。必要に応じて、身体の柔軟性や体幹のコントロール能力を高めるためのピラティスも治療に取り入れています。

当院のリハビリ方針については「リハビリテーション科」のページ、ピラティスの導入については「ピラティス」のページで紹介しています。

 

肩インピンジメント症候群についてのよくある質問

Q1. 野球の投球で肩が痛いのですが、インピンジメントでしょうか?

A1. 投球動作は肩に非常に大きな負荷がかかるため、インピンジメントを起こしやすいと言えます。ただ、肩の痛みの原因は他にも野球肘からの連鎖や投球フォームの乱れなど多様です。当院では投球障害の専門的なチェックも行っています。

野球をされている方は「投球障害肩」のページも参考にしてください。

Q2. どのくらいで痛みは取れますか?

A2. 状態によりますが、軽症であれば数週間の安静とリハビリで軽快することが多いです。しかし、根本的な身体の使い方のクセを直さないと再発しやすいため、私たちは数ヶ月かけてじっくりと「再発しない身体作り」を行うことをおすすめしています。

Q3. MRI検査はすぐに受けられますか?

A3. 私たちのクリニックには1.5テスラMRIを完備しているため、初診時に必要と判断すれば迅速に撮影を行うことが可能です。しかし、空きがない場合は予約を取って頂き、後日検査となります。

院長より

肩の痛みで来院される患者さんの中には、他の医療機関で「使いすぎですね」とか「安静にしていれば治りますよ」と言われ、なかなか改善せずに悩んでいらっしゃる方が多くおられます。しかし、本当の解決策は安静にすることだけではありません。なぜあなたの肩に負担が集中してしまったのか、その根本的な原因を追究することが、私たちの使命だと考えています。

私、前田和彦が肩・肘の診療に長く携わってきた経験から言えるのは、肩の問題の多くは肩甲骨や体幹、さらには股関節や足の動きといった全身のつながりの中に隠れているということです。当院では、高精度の1.5テスラMRIやエコーによる診断と、理学療法士による専門的なリハビリを組み合わせ、一人ひとりに適したオーダーメイドの治療を提供します。

鹿児島中央駅からすぐの場所で、私たちは皆さんの「また思い切り動かしたい」という想いに真摯に向き合います。スポーツ選手の方はもちろん、家事や仕事で肩の痛みに耐えている方も、どうぞ安心してお越しください。「痛いところだけを治す」のではなく、あなたの身体全体をより良い状態へと導くお手伝いをさせていただきます。

診療の流れやご予約については「診療時間」のページをご確認のうえ、お気軽にお問い合わせください。

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