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反復性肩関節脱臼

肩関節脱臼とは

肩関節は人体の中で最も脱臼しやすい関節です。
その理由は、肩関節が広い可動域を持つ反面、安定性を靭帯や筋肉に頼っているためです。
一度脱臼すると、肩の靭帯が骨から剥がれたり損傷したりすることがあります。
特に「関節唇」と呼ばれる靭帯の付着部分が骨から剥がれるケースが多く見られます。

靭帯が損傷すると自然に治ることは難しく、多くの場合、剥がれた状態のまま残ります。
その結果、肩関節の不安定性が生じ、再脱臼のリスクが高まります。
特に若年層やスポーツを行う方では、脱臼を繰り返すことが多く、適切な治療が必要です。

肩関節脱臼の診断と検査

診断

  • 肩を外転・外旋(腕を横に上げて外側に回す動き)した際に痛みや不安定感があるかを確認します。
    この症状は「アプリヘンジョンサイン」と呼ばれ、肩の不安定性を評価する重要な所見です。
  • また、肩の可動域を調べ、動きの制限や痛みの有無を確認します。

画像検査

MRI検査

損傷した靭帯や関節唇の状態を詳しく評価します。

CT検査

脱臼時に上腕骨や肩甲骨に摩耗や骨折がないかを確認します。
これにより、骨の損傷の有無を正確に把握することができます。

治療法

手術治療

肩関節脱臼の治療では、損傷した靭帯を修復する手術が基本となります。
当院の前田和彦院長は、これまで300例以上の関節鏡(内視鏡)を用いた低侵襲手術を行ってきた実績があります。
手術は主に「関節鏡下Bankart修復術」を行い、必要に応じて追加処置を組み合わせることで、安定した肩関節の再建を目指します。

手術の流れ 

手術療法:関節鏡視下Bankart修復術

手術は約1cmほどの小さな切開を加えて行います。
骨にアンカー(ビス)を埋め込み、このビスに付属する糸を用いて損傷した靭帯を強固に修復します。
また、脱臼のリスクが高い場合には、以下の追加処置を行うこともあります。

  • 腱板疎部縫合
  • Hill-Sachs Remplissage
  • 烏口突起移行術

術後リハビリテーションの流れ

手術後のリハビリテーションは、肩関節の機能回復と再発予防を目的として段階的に進めます。

術後リハビリテーションスケジュール

1段階(術後0-3週間)

  • 装具による肩関節固定を3週間継続
  • 指・手首・肘の運動で血行促進
  • アイシングと痛みのコントロール
  • 他動での肩関節可動域訓練

2段階(術後1ヶ月)

  • ジョギングなどの全身運動開始
  • 体幹と下半身の筋力トレーニング

3段階(術後2-3ヶ月)

  • 手術側を使った軽い作業の開始
  • 肩周囲筋の積極的な筋力強化
  • 日常生活動作の完全復帰

4段階(術後3ヶ月)

  • 腕立て伏せや重量を使った筋力トレーニング
  • スポーツ特異的な動作練習
  • より実践的なトレーニング

5段階(術後5-6ヶ月)

  • 重労働や激しい身体活動の再開
  • 競技レベルでのトレーニング

6段階(術後6ヶ月以降)

  • 完全な競技復帰
  • ただし、段階的に練習強度を上げることが重要

保存療法

手術を希望されない方、またはさまざまな理由で手術が難しい場合には、保存療法を行います。
具体的には、リハビリテーション、テーピング、サポーターを活用して、肩関節の安定性を高めることを目指します。
ただし、保存療法のみでは再脱臼を完全に防ぐことは難しいため、スポーツや日常生活の制限が必要になる場合があります。

おわりに

肩関節脱臼は、放置すると再脱臼を繰り返し、スポーツや日常生活に支障をきたす可能性があります。
しかし、適切な診断と治療を受けることで、肩の安定性を取り戻し、スポーツへの復帰も可能です。
肩の不安定感や脱臼を繰り返している方は、ぜひ当クリニックにご相談ください。
専門の医師が、患者様一人ひとりに合わせた最適な治療プランをご提案いたします。

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