腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは
腰椎椎間板ヘルニアは、椎間板が過度の負担を受けた結果、内部の髄核が脊柱管内に突出し、神経を圧迫することで痛みやしびれが生じる疾患です。悪い姿勢での作業や喫煙習慣などが発症リスクを高める要因とされています。
腰椎椎間板ヘルニアの症状
腰椎椎間板ヘルニアの主な症状は、片側の下肢に現れる痛みやしびれです。痛みはふくらはぎやすねの外側に及ぶことがあります。また、下肢の筋力低下が進行すると足を持ち上げる筋力が著しく低下する場合もあり、麻痺が生じることがあります。重症例では、便失禁や排尿障害(膀胱直腸障害)といった症状が発生することもあります。
腰椎椎間板ヘルニアの原因
腰椎椎間板ヘルニアの主な原因は、加齢や不適切な姿勢、スポーツや日常動作による腰部への過剰な負担です。また、喫煙も椎間板の血流を悪化させるため、リスク要因とされています。
腰椎椎間板ヘルニアの治療方法
保存療法
①安静
負担を軽減するため、適切な姿勢を維持し、症状が緩和するよう努めます。
②装具療法(コルセット)
腰部を固定して負荷を軽減します。
③薬物治療
鎮痛薬を用いて炎症を抑え、痛みを緩和します。外用薬を併用する場合もあります。
④リハビリ
症状が緩和した後、ストレッチや腹筋運動などを通じて再発防止を図ります。
⑤ 神経ブロック
局所麻酔やステロイド薬を注射し、痛みを抑制します。
手術療法
麻痺や膀胱直腸障害が確認された場合、また保存療法で改善が見られない場合には手術を行います。一般的には椎間板摘出術が行われ、場合によっては髄核を酵素で溶解する治療法(ヘルニコア)も選択肢となります。