骨粗鬆症
骨粗鬆症とは
骨粗鬆症は、骨の量と質が低下することで骨が脆弱化し、骨折のリスクが高まる疾患です。骨粗鬆症は多くの場合、痛みを伴わずに進行するため、「サイレントディジーズ(静かな病気)」とも呼ばれます。特に閉経後の女性や高齢者に多く見られ、50歳以上の女性の約20%が罹患していると言われています。
骨粗鬆症の症状
骨粗鬆症自体には特徴的な症状がありませんが、以下のような兆候が現れることがあります。
- 軽微な外力による骨折
- 身長の縮小
- 背中の湾曲(円背)
骨粗鬆症の診断
骨粗鬆症の診断には主DEXA法を用いた骨密度測定が行われます。若年成人平均値(YAM)の70%未満を骨粗鬆症と診断します。
骨粗鬆症の治療方法
治療は以下の3つの柱で構成されます。
運動療法
ウォーキング、エアロビクスなどの荷重運動
バランス訓練(転倒予防)
栄養療法
カルシウム、ビタミンD・K、マグネシウムの摂取
適切なタンパク質摂取
薬物療法
骨吸収抑制剤(ビスフォスフォネート、SERM、デノスマブなど)
骨形成促進剤(テリパラチド、ロモソズマブなど)
骨粗鬆症の予防
予防には以下の点に注意が必要です。
- バランスの取れた食事(カルシウム、ビタミン、タンパク質の適切な摂取)
- 定期的な運動(特に荷重運動)
- 適度な日光浴(ビタミンD合成促進)
- 禁煙、過度の飲酒を避ける
自宅でできる簡単な運動療法
- 片足立ち:テーブルなどを支えに、左右1分ずつ、1日3回
- スクワット:椅子からの立ち座りを、ゆっくりと5回、1日3回
※痛みを感じる場合は中止し、医師に相談してください。
初めての方は介助者と一緒に行うことをお勧めします。
骨粗鬆症の適切な管理は、骨折予防、QOL維持、健康寿命の延伸につながります。早期発見・早期治療が重要ですので、定期的な骨密度検査をお勧めします。