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リハビリやお薬でも改善しない肩の痛みと動きの制限 肩関節拘縮(凍結肩)でお悩みの方へ サイレントマニピュレーションのご案内

[2026.06.07]

鹿児島中央駅から徒歩圏内に位置する鹿児島中央整形外科スポーツクリニックの院長、前田和彦です。日々、多くの患者さんの肩の悩みに向き合っていますが、特に「肩が痛くて夜も眠れない」「数ヶ月リハビリを続けているけれど一向に肩が上がらない」という切実な声をよく耳にします。

いわゆる五十肩(肩関節周囲炎)が進み、肩の関節が硬く固まってしまった状態を肩関節拘縮、あるいは凍結肩と呼びます。この状態になると、着替えや洗髪といった日常生活の何気ない動作さえも困難になり、精神的なストレスも非常に大きくなるものです。私たちは、こうした「リハビリやお薬でも改善しない」という壁に突き当たっている方々の力になりたいと考えています。

当院では、痛みの根本原因を追究し、患者さんが再び笑顔で動けるようになるための先進的な選択肢として、サイレントマニピュレーション(非観血的関節受動術)を導入しています。今回は、この治療法がどのようなものか、そしてなぜ凍結肩の改善に期待ができるのか、医師の視点から詳しくお話しさせていただきます。

肩関節拘縮(凍結肩)とはどのような状態なのか

肩関節拘縮(凍結肩)は、単なる肩こりとは全く異なります。肩の関節を包んでいる関節包という袋が、炎症によって厚く、そして硬く縮んでしまった状態です。イメージとしては、肩の関節が「サイズの合わない、きつい服」を着せられているようなものです。

この状態になると、自分の力で動かそうとしても、あるいは他人に動かしてもらおうとしても、ある一定の角度から先には「物理的な抵抗」があって動きません。無理に動かそうとすれば激痛が走り、夜間に痛みで目が覚める夜間痛に悩まされることも少なくありません。放置すると数年にわたり症状が続くこともあります。

肩関節拘縮の詳細については「肩関節拘縮」のページを参照してください。

なぜリハビリや注射だけで改善しない場合があるのか

通常、五十肩の治療はリハビリテーションや消炎鎮痛剤の内服、関節内注射から始まります。多くの場合はこれらの保存療法で徐々に改善していきますが、中にはどれだけ時間をかけても改善が見られないケースが存在します。その主な理由は以下の通りです。

  • 関節包の線維化が強く、物理的なストレッチだけでは組織が伸びない状態になっている。
  • 痛みが強すぎて、リハビリで十分な可動域訓練(動かす練習)が行えない。
  • 炎症が長引き、関節内の癒着(組織同士がくっつくこと)が強固になっている。

このような状況で無理にリハビリを続けても、痛みを増強させるだけで逆効果になることがあります。こうした「停滞期」を打破するために検討されるのが、サイレントマニピュレーションです。

サイレントマニピュレーション(非観血的関節受動術)という選択肢

サイレントマニピュレーションは、文字通り「静かな(サイレント)」「手技(マニピュレーション)」を意味します。超音波エコー(診断装置)を用いて神経ブロックを行い、肩の感覚を一時的に完全に無くした状態で、医師が硬くなった関節包を丁寧に広げていく治療法です。

この治療の大きなメリットは、痛みを感じない状態で固まった組織を解除できる点にあります。皮膚を切る手術ではないため、体への負担が比較的少なく、外来で行うことが可能です。肩を動かせない原因となっている「硬い袋」を直接的に広げることで、劇的な可動域の改善が期待できます。

サイレントマニピュレーションの流れ

治療を検討される患者さんには、まず精密な検査を受けていただきます。当院には総合病院と同クラスの1.5テスラMRIを導入しており、肩の腱が切れていないか(腱板断裂)、他に痛みの原因がないかを詳細に診断します。その上で、サイレントマニピュレーションが適していると判断した場合、以下の流れで実施します。

1. 伝達麻酔(斜角筋間ブロック)

まず、首の付け根あたりにある、肩へつながる神経の集まりに麻酔をかけます。超音波エコーで神経の位置を確認しながら行うため、短時間で確実に肩の感覚を消失させます。これにより、処置中の痛みは全く感じなくなります。

2. 医師による授動術

麻酔が十分に効いたことを確認した後、医師が患者さんの腕を持ち、ゆっくりと、かつ力強く、様々な方向に動かしていきます。この際、硬くなっていた関節包が剥がれる「ピチピチ」という音が聞こえることがありますが、これは組織が広がっている証拠です。痛みがない状態で、物理的な制限を取り除きます。

3. 可動域の確認と処置後の休息

術前には上がらなかった角度まで腕が上がるようになったことを確認します。その後、麻酔が切れるまで院内でしばらくお休みいただきます。麻酔の影響で一時的に腕が動かなくなりますが、数時間で感覚は戻ります。

施術後のリハビリテーションが成功の鍵を握ります

サイレントマニピュレーションは「受けて終わり」の治療ではありません。せっかく広げた関節包も、動かさないでいると再び癒着して硬くなってしまいます。術後の可動域を維持し、再発させないためには、当院のリハビリテーション科での専門的なケアが不可欠です。

当院では理学療法士が、一人ひとりの状態に合わせたプログラムを作成します。術後当日から、あるいは翌日から、痛みのコントロールを図りながら積極的に動かしていく練習を始めます。この「動かし続けること」こそが、痛みの根本原因に向き合い、日常生活への完全復帰を目指すための最も重要なステップです。

リハビリの詳細については「リハビリテーション科」のページを参照してください。

サイレントマニピュレーションの費用とリスクについて

どのような医療行為にも、期待できる効果と併せて考慮すべきリスクがあります。私たちは患者さんに納得して治療を受けていただくために、事前の説明を丁寧に行っています。

料金について

サイレントマニピュレーション(非観血的関節受動術)は、健康保険が適用される診療です。以下の料金は目安となります(3割負担の場合)。

項目 概算費用(3割負担時)
非観血的関節受動術(手技料) 約7,000円 - 10,000円程度
超音波ガイド下神経ブロック 約1,500円程度
再診料・処方箋料など 別途

※初診時の検査費用や、術後のリハビリテーション費用は別途必要です。詳細な金額については、受診時に窓口でご確認ください。

リスクと注意点

極めて稀ではありますが、以下のようなリスクが報告されています。当院ではこれらのリスクを最小限に抑えるよう、細心の注意を払っています。

  • 骨折・・特に高齢の方や骨粗鬆症がある場合、無理な力が加わると骨折する可能性があります。
  • 脱臼・・関節包を広げる過程で、肩関節が外れるリスクがわずかにあります。
  • 神経損傷・・麻酔や手技により、一時的なしびれや麻痺が生じることがあります。
  • 皮下出血・腫れ・・組織を広げるため、一時的に内部で出血や腫れが起こることがあります。

肩関節拘縮についてのよくある質問

Q1. サイレントマニピュレーションは本当に痛くないのですか?

A1. 処置そのものは神経ブロック麻酔が効いた状態で行うため、痛みを感じることはありません。ただし、麻酔が切れた後に、筋肉痛のような痛みや、組織を広げたことによる炎症性の痛みが数日間出ることがあります。これに対しては、適切に痛み止めを処方して対応します。

Q2. 1回の処置で治りますか?

A2. 1回の処置で劇的に可動域が広がるケースが大半ですが、長年の拘縮で組織が非常に硬い場合は、複数回の処置や、その後の継続的なリハビリが必要になることもあります。まずは診察で状態を確認させてください。

Q3. すぐに仕事やスポーツに復帰できますか?

A3. 事務仕事などの軽い作業であれば翌日から可能ですが、重い物を持つ仕事や激しいスポーツは、肩の状態が安定するまで控えていただく必要があります。当院の理念である「再発させない治療」のためにも、無理のない復帰プランを理学療法士と共に立てていきましょう。

肩の痛みに向き合う私たちの想い

「年だから仕方ない」「もう何ヶ月も治らないから諦めている」という方にこそ、私たちのクリニックを頼っていただきたいと考えています。鹿児島中央整形外科スポーツクリニックは、鹿児島中央駅から徒歩圏内という通いやすい場所で、地域の方々の健康を支えるために日々診療を行っています。

肩の痛みは、単に「動かない」だけでなく、睡眠不足や気分の落ち込みを引き起こし、人生の質を大きく下げてしまいます。私たちは、専門性の高い医師による正確な画像診断と、理学療法士による手厚いリハビリ、そして今回ご紹介したサイレントマニピュレーションのような先進的な手技を組み合わせ、患者さんの痛みの根本原因に全力で向き合います。

「スポーツのやり過ぎです」といった言葉で片付けるのではなく、どうすれば再び動けるようになるのか、その道筋を一緒に考えていきましょう。肩の痛みで立ち止まっている方、どうぞお気軽に当院へご相談ください。

当院のコンセプトについては「当院の特徴」のページもご覧ください。

この文章の作者

前田 和彦(まえだ かずひこ)
鹿児島中央整形外科スポーツクリニック 院長

肩・肘疾患を専門とし、これまで年間100例以上の関節鏡手術を執刀してきました。「痛みを一時的に抑えるだけでなく、再発させない治療」を信念に、最新の知見と設備を駆使して、あらゆる世代の運動器疾患の治療に尽力しています。

学会・専門資格等

  • 日本整形外科学会 専門医
  • 日本スポーツ協会 公認スポーツドクター
  • 日本整形外科学会 認定スポーツ医

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