部活で膝の痛みが気になる皆さんへ ~成長期の膝痛ケアと対策~
[2025.06.05]
こんにちは、鹿児島中央整形外科スポーツクリニックの院長、前田和彦です。部活の練習量が増える時期になると、膝の痛みを訴える子どもたちが増えてきます。今回は、小中高校生とその保護者の皆さんに向けて、成長期の膝の痛みについての知識やケア方法をご紹介します。
- 成長期に多い膝の痛みとは?
成長期の子どもたちは、骨や筋肉が急激に発達するため、膝に負担がかかりやすくなります。特に以下のような症状がよく見られます:
- オスグッド・シュラッター病
膝の下にある脛骨粗面(膝蓋腱が付着する部分)が痛む状態で、ジャンプや走る動作が多い部活で発症しやすいです。 - ジャンパー膝(膝蓋腱炎)
膝の前側(膝蓋骨下部)が痛む症状で、繰り返しジャンプをするスポーツに多く見られます。 - 成長痛
運動後や夜間に膝が痛むことがありますが、明確な炎症や外傷はありません。
- 自宅でできるケア方法と「休むべきサイン」
膝の痛みを感じたら、まずは適切なケアを行いましょう。
【ケア方法】
- アイシング
痛みや炎症がある場合、練習後に膝を15~20分冷やしましょう。 - ストレッチ
太ももの前側(大腿四頭筋)や後ろ側(ハムストリングス)、ふくらはぎを中心にストレッチを行い、筋肉の柔軟性を保ちます。 - テーピングやサポーター
膝への負担を軽減するために使用するのも効果的です。
【休むべきサイン】
以下の症状がある場合は、無理をせず運動を休止することが大切です:
- 膝の痛みが日常生活にも影響を及ぼす
- 階段の昇り降りや歩行が困難
- 膝が赤く腫れている、または熱を持っている
- 痛みが出るフォームや動作を見直すには?
膝の痛みは、間違ったフォームや過剰な負荷が原因となることが多いです。以下のポイントを確認してみましょう:
- 着地の仕方
ジャンプ後の着地で膝が内側に入っていないか確認。適切なフォームで膝への負担を軽減できます。 - 体幹の強化
体幹が弱いと膝に負担がかかりやすいため、体幹トレーニングを取り入れるのもおすすめです。 - 練習量の調整
急激に練習量を増やすと、膝に過剰な負担がかかるため、徐々に負荷を上げるようにしましょう。
- 病院を受診するタイミングと治療の流れ
痛みが長引いたり、症状が悪化している場合は、早めに整形外科を受診してください。
【受診のタイミング】
- 痛みが1週間以上続く
- 膝が腫れている、または動かしにくい
- 痛みが強く、夜眠れない
【治療の流れ】
- 診察と検査
問診や触診、必要に応じてレントゲンやMRIを行い、原因を特定します。 - 保存療法
ストレッチやリハビリ、アイシング、薬物療法などで痛みを軽減します。 - 競技復帰プランの提案
痛みが改善した後も、再発を防ぐために適切なトレーニングやフォーム指導を行います。
最後に
成長期の膝の痛みは、適切なケアと対策で予防・改善が可能です。「無理をしない」「適切なケアを行う」を心がけ、健康的にスポーツを楽しみましょう。もし不安なことがあれば、いつでも当院にご相談ください。
鹿児島中央整形外科スポーツクリニック
皆さんのスポーツライフを全力でサポートします!
