投球障害肩
投球障害肩とは
投球障害肩は、野球やソフトボール、ハンドボールなどの投球動作を繰り返すことで生じる肩の痛みや機能障害を指します。
この障害は、適切なケアを行わないと症状が悪化し、長期的な障害につながる可能性があります。
早期の診断と治療が重要です。
原因
投球障害肩の主な原因は以下の通りです。
過剰な練習量
投球動作を繰り返すことで、肩関節や周囲の筋肉・腱に過度な負担がかかり、炎症や損傷を引き起こします。
不適切な投球フォーム
正しいフォームで投げていない場合、特定の筋肉や腱に過剰なストレスがかかり、肩の障害を引き起こすリスクが高まります。
肩甲骨周囲筋や股関節周囲筋の硬さ、不良姿勢
肩甲骨や股関節周囲の筋肉が硬い場合や、骨盤や脊椎の姿勢が悪い場合、効率的な投球動作ができず、肩への負担が増加します。
症状
投球障害肩の主な症状は以下の通りです。
- 投球時の肩の痛み
- 肩の可動域の制限
- 投球後の疲労感や不快感
- 夜間や安静時の痛み
診断
投球障害肩の診断は以下の方法で行います。
身体検査
医師が肩の動きや痛みの部位を確認します。
また、肩甲帯や骨盤周囲の筋肉の硬さや働きの低下がないかも評価します。
画像検査
X線、MRIまたは超音波検査を用いて、関節唇や腱板、骨・筋肉の状態を詳しく調べます。
治療法
治療は症状の重症度に応じて行います。
主な治療方法は以下の通りです。
保存的治療
リハビリとストレッチ
多くの投球障害肩はリハビリとストレッチで改善します。
当院では、肩甲骨や骨盤周囲の筋緊張を改善するリハビリやストレッチを指導し、再発防止のために投球フォームのチェックを行っています。
休息とアイシング
痛みや炎症を抑えるため、一定期間の休息とアイシングを行います。
拡散波治療器の使用
リハビリ室で拡散波治療器を使用し、肩甲骨や骨盤周囲の筋緊張を改善します。
薬物療法
- 鎮痛剤や抗炎症薬を使用して症状を緩和します。
- ステロイド注射を用いて炎症を軽減する場合もあります。
手術
重度の症例では、関節唇や腱板の修復手術が必要になることがあります。
当院の前田和彦院長は、関節唇損傷や腱板断裂に対する関節鏡手術を数多く手がけており、体への負担を最小限に抑えながら正確な修復を行っています。
予防
投球障害肩を予防するためには、以下のポイントを心がけましょう。
- 適切なウォームアップとクールダウンを行う
- 定期的なストレッチを実施し、柔軟性を向上させる
- 投球量や頻度を管理し、過度な投球を避ける
おわりに
投球障害肩は、適切なケアと治療を行うことで回復が可能です。
肩の痛みや違和感を感じた場合は、早めにご相談ください。
専門の医師と理学療法士が、あなたの症状に最適な治療プランを提供します。
一緒に痛みなく思い切りプレーを楽しめるよう、全力でサポートいたします。