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野球肩と野球肘を予防するための日常ストレッチ

[2025.05.28]

皆さん、こんにちは。鹿児島中央整形外科スポーツクリニックの院長の前田和彦です。本日は、野球肩や野球肘を予防するための日常的なストレッチについてお話しします。

まず、野球肩・野球肘とは何かをご説明します。これらは、ボールを投げる動作を繰り返すことで発生する肘や肩のスポーツ障害です。野球肩は、骨端線損傷や関節唇損傷、腱板損傷などの総称であり、野球肘は肘の内側、外側、後方に発症する障害を指します。

これらの障害は野球だけでなく、ソフトボールやテニス、やり投げなど、反復的な「投げる」「振る」といった動作を伴うスポーツでも見られます。特に成長期の子どもに多く発生しますが、10代後半から成人にかけても起こることがあります。多くの場合、1回の投球で突然発症するのではなく、継続的な負荷が積み重なることで肩や肘に負担がかかり、発症するのが特徴です。肩甲骨や背骨、股関節周りの柔軟性が低下すると、さらにリスクが高まります。

そのため、柔軟性を保ち、関節への負担を軽減することが非常に重要です。ストレッチは、日々のケアとして非常に効果的な手段です。これからご紹介するストレッチを日常生活に取り入れることで、野球肩・野球肘の予防に役立てていただければ幸いです。

 

■手首・肘の柔軟性を高めるストレッチ

肘や手首の柔軟性が向上すると、無理のない自然な動作が可能になります。

 

・手首を下に曲げて手のひらを自分の方に向け、肘を伸ばしたまま、反対の手で指先を身体のほうへ軽く引き寄せます(写真1)。10秒キープ。

・続いて、手の甲を自分に向けて、同様に指で身体側へ引きます(写真2)。こちらも10秒キープ。

 

 

 

 

 

■肩周囲の可動域を広げるストレッチ

投球時の肩の動きを滑らかにし、肩関節や肘関節への集中負担を減らすためのストレッチです(写真3)。

1.肘を曲げて片方の腕で肘を持つ

2.矢印の方に腕を引く

(この時やや後ろの方に引くのがポイント)

3.二の腕の裏が伸びる(図の円の範囲)

4.この姿勢を30秒キープ✖️3セット

 

 

 

 

 

 

■体幹と下半身の柔軟性向上ストレッチ

正しい投球フォームの基盤となる、体幹と下半身の動きも大切です。力強く、安定した動作のために取り入れたいストレッチです。

体幹のストレッチ(写真4)

1.横向きで寝て、両手を合わせる。上の足は膝を曲げる。

2.上の手を開いて体を矢印の方へひねっていく。

 この時、下半身はできるだけ動かないようにする。

3.10回✖️3セット行います。

反対側も同様に行います。

 

 

 

 

 

 

下半身のストレッチ(写真5)

1.椅子に足を伸ばして座る

2.背中を伸ばしたまま、体を前に倒し、ももの裏を伸ばす

3.30秒✖️3セット

 

 

 

 

 

 

日常的にこれらのストレッチを取り入れることで、肩や肘だけでなく全身のバランスを整えることができます。これにより、ケガの予防だけでなく、競技パフォーマンスの向上も期待できます。柔軟性を意識したケアを心がけましょう。

 

鹿児島中央整形外科スポーツクリニック

院長 前田和彦

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